三十六侯  大雨時々に降る

時に豪雨となる夏の雨。今年は梅雨が明けてからも多雨の日が続き、水害の
ニュースを聞く事の多いこの頃です。
「これまでに経験したことのない大雨」という、私達が子供の頃にはなかった
新たな予報の気象用語まで登場するようになりました。
狭い国土の大半が山地で占められていて、わずかな平野に人間がひしめいて
いる日本にはモンスーンの大雨は時に恐ろしい災難をもたらします。
京都でも賀茂川は昔から意のままにならぬ象徴として白河法皇も嘆いていた
とされていますが、昭和10年の大きな水害では橋がとこごとく流され、
大洪水となったそうです。
都市の中を流れる川としては勾配が急なので、水の力を削ぐために所々に
何段も落差が設けられているのですが、その中のいくつかの高い段差が原因
で鮎が上流まで遡上出来ないため、今は魚道を何箇所か作る実験が始まって
います。
賀茂川に天然鮎が沢山登って来るようになる日が楽しみです。


左京区 雨の曼殊院