立春大吉

さて今日は立春、暦の最初のスタートに戻りました。 今までこのささやかなブログに来ていただいた皆様、 ありがとうございました。 時には翼が生えているというのは西洋の諺ですが、 一年の長さがこの年になると年々貴重になって来ました。 限られた時間で、…

七十二候 鶏始めてとやにつく (にわとり はじめてとやにつく)

春の気配を感じて、鶏が卵を産み始める時期だそうです。 卵と言えばスーパーで売っているパック入りの卵しか見た事がない 人も多いかと思いますが、田舎では鶏を飼っていた家も、昔は多か ったのでしょうか。 もう随分昔の話になりますが、京都の藤ノ森にあ…

七十一候 水沢氷つめる(さわみずこおりつめる)

沢に氷が厚く張り詰める季節という、一年の内で一番寒い 頃ですね。 京都市内では厚い氷が張ることは殆どありませんが、数年 前のちょうど今頃、洛北の源光庵に行った時は、手水鉢に 2cm程の氷が張っていました。 冬のお寺は本当に凍えるような寒さですが…

七十候 蕗の華さく (ふきのはなさく)

朝、雨戸を開けると雪景色でした。 昨日はいつもと違う底冷えの寒さでしたので、普段なら すぐに部屋の暖まるペレットストーブを焚いていても なかなか室温が20度に届きませんでした。 一年で一番寒い時期、地中の中からは気の早い植物達が 地表に顔を見せ始…

六十九候 雉始めてなく

ちょっと待って、こんな寒い時にはまだ雉は鳴かないのでは? あの独特のケーン、ケーンという大きな声は以前に住んでいた 比叡山の麓では春によく耳にしました。 何年か前、修学院離宮の横を流れる音羽川の川岸から急に雉 が飛び立ち、塀を越えて離宮内に飛…

六十八候 泉水温をふくむ (しみず あたたかをふくむ)

湧き出る水が暖かさを増すという季節。 実際には、地下水はほぼ一年中同じ水温だという 突っ込みはさて置いて、水が暖かく感じるというのは 確かですね。 京都盆地の下には琵琶湖に匹敵する程の地下水脈 があるという話を聞いても、そんなアホな!と、俄か …

六十七候 芹乃ち栄う(せりすなわちさかう)

七草粥にも入っている芹ですが、野生の芹は京都市内ではもう ほとんど見つけられないのではと思っていました。 が、京都御所の中を流れる出水の小川に芹が生えていました。 子供の頃の西京区の祖母の家の傍には田圃が広がり、横を流 れる小川には芹が茂って…

六十六候 雪下りて麦伸びる

晩秋に蒔いた麦の芽が雪の下で伸びるという季節らしい のですが、京都の盆地の中に住んでいると、そんな光景 に出会った記憶がありません。 京都駅から東に行く途中、車窓から麦畑らしい光景を見 た記憶はあるのですが、あれはどこだったでしょうか。 粉にさ…

六十五候 さわしかの角おつる

「さわしか」というのはヘラジカを指すらしいのですが、 ニホンジカの角が落ちるのは春だったでしょうか。 ちょっと記憶が曖昧です。 余談ですが、先日「メリダとおそろしの森」というアニメを 見た時に、まるでもののけ姫に出てくる神鹿にそっくりの 大鹿が…

六十四候 乃東生ず(なつかれくさしょうず)

六月に「乃東枯る」と出ていた乃東(なつかれくさ)のウツボグサが 再登場しました。 食べられる訳でも、薬草でもないのに、昔の人はなんでこんなに、 この小さな野草が気になるのか不思議です。 冬に向かって地上の草が枯れていく中で目に付いたのでしょう…

六十三候 さけの魚群がる

一説には、ハヤやオイカワの様な川魚を指すとも言われます。 京都の由良川には鮭が遡上するそうですが、山に囲まれた盆地 を流れる鴨川や、高野川、宇治川、桂川には鮭は来ません。 そのかわり、川魚がよく釣れます。特に宇治川の寒バエ釣りは 有名です。 ち…

六十二候 熊穴にこもる

熊に出会った経験はありませんが、熊の仕業とおぼしき爪痕のつい た木を 京都と福井の県境にある京大の芦生演習林で見かけた事が あります。 秋の黄葉が見事な時で、テントを張る場所を探していた時でした。 森の中で熊と鉢合わせしなどしたくはありませんが…

六十一候 閉塞冬となる (そらさむくふゆとなる)

紅葉も残り少なく、観光客の賑わいの途絶えたこの頃は、 年末の慌ただしさまで、ほんの短いひと時ではありますが ほっこりとした気分になります。 人の多さに外出を控えていた所をゆっくりと見て回れる様 になるのも、今の時期ならではですね。 この頃、西高…

六十候  橘始めて黄ばむ

ミカンが美味しい季節になりました。 自宅では垣根の代わりにミカンやレモン、キンカン、柚子などを目隠し に植えています。 肥料も水もやらないまったくの放任栽培ですが、今年はなぜか大きく 甘いミカンが沢山なりました。酸味もきいていて、少し野性味の…

五十九候 朔風葉を払う(北風木の葉をはらう)

毎年、驚くほどの落ち葉を払い落として、寒さに備える木々。 自宅のすぐそばに椋や欅の大木があるので、晩秋は落ち葉掃きが 日課となります。 道行く人の中には、大量の落ち葉を掃く私をねぎらってくださる方も おられます。 確かに面倒だと思う気持ちも少し…

五十八候 虹蔵不見(にじかくれてみえず)

北山時雨の季節も過ぎ、日差しも弱くなって、虹に出会うことも めったになくなります。 寂しい気分の漂うこの頃は、七十二候にももう少し気持ちの上向 くような、例えば、山葡萄の紫とか、茶の花の白とか、木に残る 柿の赤とか、そんな彩のある言葉が欲しい…

五十七候 金盞咲く( きんせんかさく)

金盞花と聞くとよく仏花に添えられているオレンジ色の キク科の花を思い浮かべますが、七十二候では水仙の事 を指すようです。 金の杯の花という意味でしょうか。 水仙の咲く時期はもう少し後なので、七十二候はどうも 季節の進み方が早いですね。 水仙はも…

五十七候 金盞咲く( きんせんかさく)

金盞花と聞くとよく仏花に添えられているオレンジ色の キク科の花を思い浮かべますが、七十二候では水仙の事 を指すようです。 金の杯の花という意味でしょうか。 水仙の咲く時期はもう少し後なので、七十二候はどうも 季節の進み方が早いですね。 水仙はも…

五十六候 地始めて凍る

京都にあてはめれば、まだまだ地面が凍てつく程の寒さでは ありません。 けれども今冬は寒さが厳しいとの予測が出ていますね。 北海道では氷点下の毎日なのでしょうか。 今年の夏は猛暑でしたので、暑さ寒さのメリハリのある年と なりそうです。 それでなく…

五十五候 山茶始めて開く(つばきはじめてひらく)

11月にはまだ椿はほとんど咲いていないので、この場合は 山茶花を指すようです。 椿は沢山の品種にそれぞれ優雅な名をつけられて愛でられて いますが、山茶花はあまり花に変化もなく、垣根に使われる 程の気安さで、身近過ぎて特に気付かれないのは、ちょっ…

五十四候 楓蔦黄ばむ(もみじつたきばむ)

色付き始めた街路樹に秋の深まりを感じる季節ですね。 京都の山のほうではもっと紅葉が進んでいるのでしょう。 所用のついでにふと思い立って、鷹峯の光悦寺を訪ねると 気の早い楓が数本、真っ赤に紅葉していました。 とはいえ、まだシーズン前なので訪れる…

五十三候 小雨ときどきふる

秋から冬にかけて、京都盆地の北部には北山時雨がよく降ります。 そんな時にたまたま鴨川を通りがかり、北山の方角を眺めると 山々が霧雨に煙って、ぼんやりとした雨のフィルターがかかっている ようです。 文字通り、時雨と言われるように、さーっと通り雨…

五十二候 霜始めて降る

寒い地方ではもう霜が降りているのでしょうか。 京都では数日前は朝夕に急に冷え込んで、暖房が欲しい程でしたが 昨日今日はまた暖かくなって、ダウンジャケットを着た寒がりの人 がいるかと思えば、タンクトップの元気な人もいたりして、こちら のクローゼ…

五十一候 蟋蟀戸にあり

蟋蟀はコオロギともキリギリスとも読めるようです。 家の中で何か物を動かした時に思わぬ所からコオロギが飛び出して くる事があります。リー、リーと鳴いていたのは君だったの!と思う ような小さな虫ですが、ラストエンペラーという映画の中では、 コオロ…

五十候 菊花開く

この場合の菊は栽培菊のことでしょうね。 これからあちこちで菊花展も開かれます。 こんなことを書くと菊の愛好家から怒られそうですが、 厚物というのでしょうか、頭でっかちの大きなモコモコ とした大輪菊があまり好きになれません。 菊にしても、金魚にし…

四十九候 鴻雁来る

あいにく京都市内では「鴻雁」を京都市動物園以外では見た事が ありませんが、お隣の琵琶湖では、9月20日にもうヒシクイが飛来 したというニュースが届いています。今年は2週間早いとか。 雁といえば、落雁という和菓子の由来は、昔の製法では胡麻を散ら し…

四十八候 水始めて涸る(みずはじめてかるる)

水が涸れる時期とすれば、夏の日照りの時ですが、どうやら 七十二候では、川の水量が減るという意味ではなく、稲の収穫 の為に田の水を抜くいう事らしいです。 黄金色の稲の穂が重く実っている光景は、沢山の手間と苦労を 考えると、お米を丹精込めて作る農…

四十七候 虫かくれて戸をふさぐ

ちょっと早すぎるのではありませんか!と言いたくなるほど、まだ虫達も 蜘蛛もヤモリも元気です。昔の人は気が早いですね。 それでも朝晩はめっきり涼しくなって、庭仕事が楽になりました。 でも油断していると、温度が上がる昼間には、子孫への生き残りをか…

四十六候 雷乃ち声を収む(かみなりすなわちこえをおさむ)

今年の夏の終わりに自宅にいた時、地響きのする程大きな雷鳴を聞きましたが、 どこか近くの山に落ちたのでしょうか。 空に稲妻が走り、雷鳴が鳴り響けば、まして訳のわからない昔の人々はどんなに 恐れおののいたことでしょう。これはきっと神様の仕業だと思…

四十五侯 玄鳥去る(つばめさる)

京都の南、宇治川のほとりに観月橋という風流な地名があります。 今は車の渋滞名所となっていますが、昔は月見の名所だったのかも しれません。 数年前にここでお月見の会に参加した時、丸いお月様を眺めながら 宇治川の堤をそぞろ歩き、その後美味しい伏見…