六十九候 雉始めてなく

ちょっと待って、こんな寒い時にはまだ雉は鳴かないのでは?
あの独特のケーンケーンという大きな声は以前に住んでいた
比叡山の麓では春によく耳にしました。
何年か前、修学院離宮の横を流れる音羽川の川岸から急に雉
が飛び立ち、塀を越えて離宮内に飛び込んで行った光景は忘れ
られません。あんなによく飛ぶとは予想外でした。
そういえば天然記念物に指定されている深泥池の浮島の中で、
雉の声が聞こえた事もあります。
どちらも一般の人は入れない所なので、文字通りサンクチュアリ
ですね。
今の季節、雉を見つけられないので、日本画の中の雉を探して
みましたが、鷲や鷹、孔雀や水鳥、小鳥等はよく画材にされて
いるのに、雉を描いた絵が少ないのは意外でした。

桜に雉 緒方乾山