六十八候 泉水温をふくむ (しみず あたたかをふくむ)

湧き出る水が暖かさを増すという季節。
実際には、地下水はほぼ一年中同じ水温だという
突っ込みはさて置いて、水が暖かく感じるというのは
確かですね。
京都盆地の下には琵琶湖に匹敵する程の地下水脈
があるという話を聞いても、そんなアホな!と、俄か
には信じがたい話ですが、実際、市内の至る所に
井戸があるのは事実です。
烏丸通りのビルの谷間にも、京都御所の中にも、
今宮神社の門前の炙り餅屋さんにもあります。
湯葉やお豆腐や麩を作るのに井戸水を使っている
お店も多く、京都の水が味の決め手だと言われて
います。
お店以外にも、お茶やコーヒーに名水を求めて、
ポリタンクに汲みに来る人をよく見かけます。
私自身は味覚音痴なので、水を目の前に並べられ
ても、きっとどれが名水なのか判らないでしょう。
けれども、今までで一番美味しかった水は?と聞
かれたら、京都の北山の峠近くの岩の間から滴り
落ちていた水を思い出します。
きっと、疲れていて、絶好の眺めだった事も影響
していると思いますが。

上賀茂神社