七十二候 鶏始めてとやにつく (にわとり はじめてとやにつく)

春の気配を感じて、鶏が卵を産み始める時期だそうです。
卵と言えばスーパーで売っているパック入りの卵しか見た事がない
人も多いかと思いますが、田舎では鶏を飼っていた家も、昔は多か
ったのでしょうか。
もう随分昔の話になりますが、京都の藤ノ森にある科学センターに
鶏の卵が孵化する瞬間が見れるような展示がありました。
一定の湿度と温度に保たれたガラスの小さなドームの中に数個、
孵化間際の卵が入れられていて、運が良ければ卵から雛が出てくる
様子を見る事が出来るのですが、グッドタイミングに巡り会う事が
難しくて、ヒビの入った卵を子供達と眺めながら、雛が殻から出る
には時間がかかるという事を知りました。
ちなみに、センターで生まれた雛を貰って自宅で飼ってみたのですが
成鳥になると、朝、大きな声で時を告げるようになり、ご近所の手前
しかたなく小学校の鶏舎で飼ってもらった思い出があります。
動物はちゃんと後の事を考えて飼うべきだと反省したことでした。



鶏 曽我直庵