十六侯 葭始めて生ず (あしはじめてしょうず)

冬の間の眠りから覚めて、枯野だった葭原にも
緑のヨシの芽が伸び始めて来ました。
魚のすみかとなり、水を浄化するという大切な植物ですが、
実は増えすぎて困っている場所が京都市内にあります。
地下鉄の北山駅から北へ10分程の市街地にある深泥池という湿地は
氷河期の生き残りと言われるミツガシワやミズゴケで出来た浮島があり
池全体が国の天然記念物に指定されています。
ところが、この池にヨシがどんどん地下茎を伸ばして増えすぎて、
植物のバランスが壊れかけているのです。
幸い、池の南部には激減していたジュンサイが復活して、
昭和の初め頃までジュンサイ取りの小舟が池に浮かんでいたと云われている
風景に近くなってはいるようです。


深泥池のミツガシワの群落から芽を出しているヨシ