十九侯 蛙始めて鳴く

端午の節句ですね。もう暦の上では夏となります。
子供の頃、オタマジャクシを捕まえて、蛙になるまで飼っていた時の事を
思い出します。
小さな後ろ足が出て来て、しっぽがだんだんなくなり、蛙らしい顔つきに
なっていくのが不思議で、やがて水の中から出てくる時にはオタマの面影
はもうありません。
水、陸とライフステージによって違う世界を生きるトンボや蛙などの生物
は変身もドラマティックですが、考えてみれば、変身せずに陸海空をまた
にかけて生きる鳥の仲間は進化の形としてはすごい事ですよね。
京都にはモリアオガエルが住んでいるお寺の庭もありますが、残念ながら
実際に見たことはありません。
大原の奥の渓流でカジカガエルの綺麗な声を聞いたこともありますが、
それはそれは小さな蛙でした。
私の家の庭にもやはり雨がふりそうな日に蛙の鳴き声が聞こえるのは、
時々訪ねて来てくれているようです。


伊藤若冲の版画の絵葉書から